【ロンドン 11月8日】
英国王立天文協会に所属する天文学者ジョン・ラッセル・ハインド氏は本日、夜空の観測中に新たな小惑星を発見したと発表した。これは、地球と火星の間に位置する「小惑星帯」に属する天体で、発見順により「エウテルペ(Euterpe)」と命名される見込み。
ハインド氏はこれまでにも複数の小惑星や変光星の発見で名を馳せており、今回の発見は彼にとって8個目の小惑星となる。望遠鏡による数日間の追跡観測の結果、該当天体は一定の軌道を描いて太陽を周回しており、恒星ではないことが確認されたという。
エウテルペとは、ギリシャ神話に登場する音楽と叙情詩の女神であり、これまでの小惑星命名と同様、神話にちなんだ名称が採用される。小惑星帯に位置するこれらの天体は、火星と木星の間に広がる岩石群で構成されており、太陽系形成の痕跡をとどめる天体として注目されている。
科学界では、こうした天体の継続的な発見が太陽系の構造理解や惑星形成理論の発展に寄与すると期待されており、王立天文協会は今後も軌道解析や性質調査を進める方針を示している。
— RekisyNews 科学面 【1853年】
