ボゴタの最高裁占拠事件、人質115人が犠牲に 政府軍が突入し制圧

【コロンビア・ボゴタ 11月7日】

首都ボゴタにあるコロンビア最高裁判所を武装勢力が占拠した事件は本日、政府軍の強行突入により終結したものの、人質を含む少なくとも115人が死亡するという未曾有の惨事となった。

事件は昨日午前、左翼ゲリラ組織「4月19日運動(M-19)」のメンバー約30人が最高裁に突入し、判事や職員らを人質に立てこもったことから始まった。M-19側は政府に対し、「大統領の即時出頭」や「軍の撤退」などを要求し、裁判所内にバリケードを築いて銃撃戦を展開した。

これに対し政府は、本日未明から特殊部隊を動員して建物への突入を強行。激しい銃撃と火災が発生し、建物はほぼ全焼最高裁の判事12人を含む多くの人質が犠牲となり、またM-19の構成員も多数が死亡または拘束された。

ベタンコール大統領は声明で、「法と秩序を守るためのやむを得ない決断だった」と述べたが、過剰な武力行使への国内外からの批判も高まっている。また、事件を通じて浮き彫りになった司法・治安の脆弱性や、社会の不平等が生む過激運動への対策も、今後の大きな課題として浮上している。

— RekisyNews 国際面 【1985年】

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