現代美術の殿堂誕生 ニューヨーク近代美術館が正式開館

【ニューヨーク 11月7日】

本日、ニューヨークにて世界でも類を見ない現代美術専門の美術館「ニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art / MoMA)」が正式に開館した。開館初日となる今日は、アメリカ国内外の芸術家や文化人、美術関係者らが多数詰めかけ、注目度の高さをうかがわせた。

MoMAは、「現代美術を体系的に紹介・保存・教育する」という明確な使命を掲げた初の美術館であり、開館時点での収蔵品には、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、マティスなどのヨーロッパ近代絵画が多数含まれている。また、写真や建築、グラフィックデザインなど、従来の「美術館」の枠に収まりきらない多分野にわたる所蔵を目指す姿勢も注目を集めている。

同館はリリー・P・ブリス、アビー・オルドリッチ・ロックフェラー、メアリー・クイン・サリヴァンの3人の女性によって設立され、館長にはアルフレッド・バー・ジュニアが就任。今後は常設展に加え、意欲的な企画展や教育プログラムを通じて「生きた美術館」を体現することを目指すとしている。

アメリカ美術界の新たな中心として、MoMAの今後の展開に世界中の関心が寄せられている。

— RekisyNews 文化面 【1929年】

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