【名古屋 11月7日】
プロ野球日本シリーズの最終第7戦が本日、名古屋球場で開催され、中日ドラゴンズが西鉄ライオンズを1対0で下し、シリーズ4勝3敗で球団初の日本一に輝いた。地元での歓喜の瞬間に、満員の観衆が総立ちとなった。
この試合で大きな勝利をもたらしたのは、エース・杉下茂投手の完封劇だった。キレのある速球と精緻なコントロールで9回を一人で投げ抜き、相手打線を寄せつけなかった。
得点は中日が5回裏、内野ゴロの間にあげた1点のみ。わずかなリードを杉下の力投で守り抜いた。攻守ともに緊張感あふれる展開となったが、終始冷静さを保ったドラゴンズが頂点に立った。
1951年から本格的に再編されたプロ野球界において、中日の日本一は巨人に続いてセ・リーグ球団として2球団目。名古屋のファンにとっては長年の夢がかなった瞬間となった。
敗れた西鉄も若き主力を中心に善戦し、今後の成長が期待される内容を示した。シリーズ全体を通して白熱した試合が続き、今年の戦いは日本シリーズの歴史に新たな名勝負として刻まれることだろう。
— RekisyNews スポーツ面 【1954年】
