サモアに疫病流行か 豪船寄港後に多数発熱

【アピア(西サモア)11月7日】

南太平洋の西サモアにて、今月初旬より原因不明の高熱・咳・倦怠感を訴える住民が急増しており、地域の医師らは重大な感染症の発生を警戒している。

地元当局によると、感染の拡大は今月4日、ニュージーランドから寄港した定期船「タラウニ」がアピア港に到着した直後から始まった。同船には体調不良者が複数乗船していたものの、厳格な検疫措置は取られなかったとみられ、その後数日で住民に同様の症状が連鎖的に発症した。

現地医療関係者は、この疫病がすでに世界各地で猛威を振るっている“スペイン風邪”の可能性が高いとみている。一部村では1つの家庭内で複数人が同時に倒れ、看病もままならず放置される事態となっており、アピア周辺の病院ではすでに収容能力を超えた状態が続く。

サモアは現在ニュージーランドの統治下にあるが、事前に適切な防疫対策が講じられていたかどうかについては、責任を問う声も出始めている

先住民の間では、風邪を“自然の浄化”とみなす声もあるが、専門家は感染の拡大を止めるには今後数週間が極めて重要だと警告している。

— RekisyNews 国際面 【1918年】

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