【ローマ 11月6日】
本日、イタリア王国の首都ローマにおいて、日本・ドイツ・イタリアの三国が新たに防共協定を締結した。1936年11月に日独両国間で結ばれた防共協定に、今回イタリアが正式に加わる形で、協定は「日独伊防共協定」へと拡大された。三国は声明の中で、「国際共産主義運動の浸透に対し、相互に協力して防衛する」と表明した。
調印式はローマ外務省で行われ、日本からは駐伊大使白鳥敏夫、ドイツからは外相ヨアヒム・フォン・リッベントロップ、イタリアからは外相ガレアッツォ・チアノが出席した。式典では、各国の代表が順に署名を行い、三国の連携強化を象徴する握手が交わされた。
協定の内容は、共産主義勢力、特に国際共産主義組織(コミンテルン)の活動に対する情報交換と対抗措置の協力を定めるもので、必要に応じて政治的・経済的な支援を行うことも盛り込まれている。各国政府は「国内秩序の維持と国際社会の安定」を名目に掲げているが、背景には欧州および東アジアでの国際情勢の緊張がある。
イタリアのムッソリーニ首相は署名後の声明で「ヨーロッパとアジアの二つの文明が、共産主義という共通の脅威に立ち向かう」と演説。ドイツの報道機関は「三国の協調が世界の秩序を守る」と強調した。一方、英仏両国などでは、この協定が軍事的ブロック化の第一歩になるとの懸念が高まっている。
日本政府は、今回の協定拡大を「平和維持のための防衛的措置」と説明しているが、国内外では外交方針の転換と受け止める声もある。国際社会は、三国が今後どのように行動を共にしていくか注視している。
— RekisyNews 国際面 【1937年】
アイキャッチ画像 World Imaging – 投稿者自身による著作物, photographed at Japan Foreign Ministry Archives, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=13040926による
