【米国・ワシントン 11月6日】
本日、米国のテレビ界に一つの新章が開かれた。番組名「Meet the Press」が、全国ネットワークの NBC テレビにて初めて放送された。テレビ放送としての初回は、1947年11月6日のことである。
この番組はもともと1945年にラジオ番組としてスタートしており、テレビ版への移行を果たしたものである。
テレビでの番組構成は、ひとりのゲストを迎えて問いかけを行う記者会見形式から始まり、将来的には論説パネルや政治・経済・外交の主要課題を俎上に乗せる討議形式へと発展していく。
初代モデレーターは Martha Rountree 氏。女性がテレビ・政治討論番組の主役を務める例が極めて少ない時代にあって、画期的な存在であった。
番組開始にあたって、NBCの報道関係者は「新しい時代の公共政策議論を視聴者に届ける」との意気込みを示しており、テレビを通じた“公共的討論”の場としての役割が期待されている。
ワシントンのスタジオ付近では、初回放送を前にいくつかのカメラテストと録画準備が報じられ、テレビ放送黎明期の雰囲気が漂っていた。電化社会の進展とともに、テレビ画面を通じて政策やニュースが国民に直接届く時代の始まりを印象づける。
番組は放送開始以来、70年以上にわたり継続され、今や米国テレビ史上 最長寿番組 の一つとして位置づけられている。
その意味では、1947年11月6日のテレビ初放送は、単なる番組開始を超え、テレビによる公共議論・報道の長大な連続を象徴する出発点といえる。
今後、番組がどのように視聴者と社会をつなげ、討論の場としての役割を果たしていくか、注目が集まる。
— RekisyNews 放送・メディア面 【1947年】
