【東京 11月5日】
本日、日本政府の主導により「大東亜会議」が東京で開催された。この国際会議には、日本をはじめとするアジアの同盟・友好国の首脳が一堂に会し、「大東亜共栄圏」構想の理念を確認する場として位置づけられている。
出席者は、日本の東條英機首相のほか、満洲国の張景恵国務総理、タイ王国のワン・ワイタヤーコーン親王、ビルマ国のバー・モウ首相、フィリピン共和国のホセ・ラウレル大統領、自由インド仮政府のチャンドラ・ボース代表など、形式上は独立を保つアジアの6政権。開会式は厳かな雰囲気の中で行われ、各国代表による演説も行われた。
東條首相は冒頭、「大東亜の諸民族は、欧米の植民地主義を打破し、互いに自主・独立を尊重し合うべきである」と述べ、会議の主旨を強調した。会場には「大東亜の栄光ある未来」の実現を謳うスローガンが掲げられ、日本が掲げる共栄圏の理想を強く印象付ける演出がなされた。
しかし一方で、これらの国々の多くが日本の強い影響下にある傀儡政権であるとの批判も国際社会では根強い。また、戦況が悪化しつつある中での開催に対しては、「国内外へのプロパガンダ的意味合いが強い」との見方もある。
会議は明日以降も続き、「大東亜共同宣言」の採択が予定されている。日本政府は今回の会議を通じて、アジアの結束を国際的に誇示し、戦争遂行の正当性を内外に訴えたい構えだ。
— RekisyNews 国際面 【1943年】
