【東京 11月3日】
本日、日本陸軍は太平洋を横断しアメリカ本土を攻撃する新兵器「風船爆弾」の運用を正式に開始した。この兵器は「ふ号兵器」と呼ばれ、気球を利用して爆弾を偏西風に乗せて飛ばすという、かつてない遠距離攻撃手段である。
風船爆弾は、高度1万メートル前後を飛行しながら約3日間かけて太平洋を横断するよう設計されており、高度制御装置や時限信管などが組み込まれた高度な構造を持つ。これにより人の手を介さずに米本土への到達と爆発を可能とする。
目的は主に心理的な威嚇および森林火災の誘発であり、アメリカ本土に戦禍を及ぼすことによって国内世論の動揺を狙うものと見られている。日本側では、この兵器が米国の戦意を削ぐ「奇策」として期待されている。
出撃拠点は本州中部の秘密基地とされ、今後数千発の風船爆弾が順次放たれる計画が進められている模様。これまでにないスケールの遠隔攻撃として、戦局にどのような影響を与えるかが注目される。
ただし、気象条件や着弾精度に課題も多く、戦果の把握には時間を要するとされている。米国側の反応はまだ明らかではないが、新たな戦争形態として世界の注目を集めることは必至である。
— RekisyNews 国際面 【1944年】
