本日より国民年金制度スタート──自営業者や農林漁業者らに老後の安心を提供

【東京 11月1日】

本日、「国民年金法」が正式に施行され、日本全国で国民年金制度がスタートした。これにより、これまで厚生年金の対象外であった自営業者、農林漁業従事者、無職の高齢者らも老後の所得保障を受けられる道が開かれた。

1954年の厚生年金保険法改正に続き、政府は「すべての国民に年金を」という理念のもと制度設計を進め、5年の準備期間を経てこの日を迎えた。初年度は満60歳以上の無年金高齢者を対象に福祉年金を支給することから始まり、昭和36年度(1961年)からは本格的な保険料拠出型制度への移行が予定されている。

厚生省によれば、全国で約700万人が初年度の受給対象となる見込みで、月額1,500円前後の福祉年金が支給される。東京・巣鴨の年金相談窓口では、朝から高齢者が列をなす光景が見られ、「ようやく安心して暮らせる」と涙ぐむ姿もあった。

政府は、「高齢化社会の到来を見据えた社会保障の柱として、国民年金制度は重要な第一歩」と強調。今後も制度の拡充と周知に努め、国民生活の安定に寄与していく構えだ。

— RekisyNews 社会面 【1959年】

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