「教育勅語」発布 忠孝と徳育の根本を示す勅諭

【東京 10月30日】

本日、天皇陛下より「教育ニ関スル勅語」(教育勅語)が下賜され、全国の学校および官公庁に向けて正式に公布された。国民教育の根本理念を明示したこの勅語は、忠君愛国と道徳涵養を柱とし、今後の帝国臣民における精神的指針として重視される見通しである。

勅語は、文部省において厳粛な式典のもと発表され、「朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ…」と始まる原文が読み上げられた。陛下は、歴代天皇の徳を継承し、忠孝を尽くすこと、また夫婦相和し・博愛を施し・学を修め・業を習うことなど、人倫道徳の実践を臣民に求めている

また、国家の非常時には身命を捧げて国に尽くすことも記されており、忠誠と奉公の精神が強調されている。これらは、単なる学校教育の教訓にとどまらず、家庭や社会全体の倫理的規範ともなることが期待されている。

本勅語は、文部大臣・森有礼の遺志を継ぐ形で制定が進められており、日本近代教育の精神的支柱となると専門家の間でも注目を集めている。今後、全国の小学校では勅語の奉読と掲額が進められ、忠孝の道が一層浸透することが見込まれる。

— RekisyNews 教育面 【1890年】

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