【ニューヨーク 10月29日】
本日、ニューヨーク証券取引所はかつてない規模の株価暴落に見舞われ、ウォール街は終日混乱に包まれた。 この日、1日の株式取引高は過去最多の1,641万株を記録し、数十億ドル規模の資産が失われたとみられている。市場関係者の間では、“暗黒の火曜日”と早くも呼ばれ始めている。
前週の木曜日(24日)から続いていた株価の不安定な動きは、今週に入っても収まらず、本日ついに暴落の引き金が引かれた。朝の取引開始直後から売り注文が殺到し、わずか数時間で主要銘柄が軒並み急落。 パニックに陥った投資家たちが証券取引所の前に殺到し、現場は一時騒然となった。
“株式市場は安全だ”という幻想は崩れ去り、個人投資家から大口投資家まで、多くの人々が一夜にして巨額の資産を失った。 ブローカーや銀行も対応に追われ、複数の金融機関で信用不安が広がり始めている。電話線は売却指示で混雑し、ティッカーテープ(株価表示機)も情報更新が間に合わず混乱を助長した。
市場関係者の間では「1920年代の空前の好景気が生んだバブルの崩壊」と見る声が強く、過剰な信用取引や投機熱への警鐘が鳴らされていたことは否定できない。 今後、米国経済全体、さらには欧州など世界市場への波及も懸念される。
歴史的好況の終焉を告げる1日となったのか、それとも一時の調整か。今後の動向から目が離せない。
— RekisyNews 経済面 【1929年】
