【千葉県船橋市 10月29日】
本日、千葉県船橋市にある船橋競馬場にて、日本初の「オートレース」公式競走が開催され、モータースポーツ史に新たな1ページが刻まれた。 エンジンの咆哮と共にスタートを切ったレーサーたちに、場内は大きな歓声と熱気に包まれた。
オートレースは、専用の競走車(モーターサイクル)を用いた周回形式のスピード競技で、観客が着順を予想して投票する公営競技として制度化された。 初開催となった本日は、約1万5千人の観衆が会場を訪れ、迫力ある走りに一喜一憂する姿が見られた。
主催は千葉県の地方自治体によって行われ、戦後の復興資金を確保する手段として、競馬・競輪に続く第三の公営競技として導入された背景がある。 政府の認可のもと、モータリゼーション時代の到来を見据えた新しい娯楽としても注目を集めている。
レースは1周400メートルの特設コースで行われ、8台のマシンが激しいコーナリングとスピードを競い合う。 初日の勝者には地元出身の選手も含まれ、観客から盛大な拍手が送られた。
主催者側は「安全対策を徹底しつつ、国民に新しい楽しみを提供したい」と語っており、今後は全国各地への展開も視野に入れている。
騎馬の時代からエンジンの時代へ──船橋の地で始まったこの新競技が、やがて日本中にモータースポーツの風を吹かせることになるかもしれない。
— RekisyNews スポーツ面 【1950年】
