「太陽神の名のもとに」──ミルウィウス橋で激戦、コンスタンティヌス軍が勝利し単独皇帝へ

【ローマ郊外 10月28日】

本日、ティベリス川北岸にかかるミルウィウス橋周辺にて、西ローマ帝国の覇権を巡る歴史的な会戦が勃発し、皇帝コンスタンティヌス1世率いる軍が、対立皇帝マクセンティウスを破る大勝利を収めた。 これにより、コンスタンティヌスは西方における単独皇帝としての地位を確実なものとした。

戦いは、数年来の皇帝複数体制(テトラルキア)による内乱の一環として位置づけられている。 マクセンティウスはローマ市内に立て籠もる形で権力を維持していたが、コンスタンティヌス軍は北方より進軍し、ついに本日、ティベリス川の要衝であるミルウィウス橋付近にて両軍が激突した。

現地の目撃者によれば、決戦前夜、コンスタンティヌス軍は「キリスト教の神の啓示を受けた」とされる標章(キリストを象徴する「XP(キリストス)」の記号)を掲げて戦場に臨んだという。兵士たちはその印を盾に刻み、「この印により汝は勝つ(In hoc signo vinces)」の言葉を信じて突撃したと伝えられている。

戦局は圧倒的にコンスタンティヌス側に傾き、マクセンティウス軍は橋を渡っての退却を試みるも、パニック状態に陥った軍団が川に押し寄せる混乱の中、マクセンティウス本人も川に転落して水死した。 その遺体は後に川から引き上げられたとされる。

この勝利によって、コンスタンティヌスは西方帝国の実権を完全に掌握。キリスト教徒からの支持も一層強まると見られ、今後の宗教政策にも大きな影響を与えることは確実である。

帝都ローマはすでに鎮まりつつあり、市民の一部には「血なまぐさい独裁からの解放」として勝利を歓迎する声も聞かれる。

“皇帝コンスタンティヌス”の時代が、ここに新たに幕を開けた。

— RekisyNews 世界面 【312年】

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