日本初の軽便鉄道、伊予の地に誕生――松山〜三津間が開業

【松山 10月28日】

本日、愛媛県松山の街において、国内初となる「軽便鉄道」方式の鉄道路線が正式に開業した。運行を担うのは伊予鉄道株式会社で、開業区間は松山(現在の松山市駅付近)から三津(現在の三津駅)までのおよそ5.5キロに及ぶ。

この鉄道路線は、開業当初から軌間(線路幅)762ミリの狭軌を採用した「軽便鉄道」として運用され、従来の幹線鉄道に比べ建設費や用地取得のコストを大幅に抑えられる利点がある。 運転には蒸気機関車が用いられ、木造の小型客車を数両牽引する形で運行が始まった。

この新たな鉄道の登場は、地方都市における公共交通の概念を大きく塗り替える画期的な出来事であり、今後の地方鉄道発展のモデルケースとして全国から注目を集めている。沿線には商家や港町が広がっており、特に松山城下から三津浜港への人と物資の流通が格段に効率化されることが期待されている。

開業初日は多くの市民が駅に詰めかけ、小さな機関車が汽笛を鳴らしながら田園風景を走る光景に歓声が上がった。 地元住民の一人は「馬車より早くて静かで、未来の乗り物だと思った」と語った。

伊予鉄道は今後、さらなる延伸計画を視野に入れつつ、旅客輸送と貨物輸送の両面から地域経済の活性化に貢献していく構えである。

この“軽便鉄道”という新たな様式が、日本全国の地方鉄道の未来を切り拓く一歩となるか、大きな注目が集まっている。

— RekisyNews 経済面 【1888年】

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