【東京 10月26日】
TBSテレビが制作した情報番組『3時にあいましょう』に関連し、宗教団体・オウム真理教の関係者に対し、放送前のVTRを事前に視聴させていたことが本日明らかになった。問題のVTRは、オウム真理教の活動実態を批判的に報じる内容であり、番組スタッフの取材に応じた元信者が出演していた。
報道によれば、10月下旬、オウム側がTBSを訪れ、取材内容の放送に強く抗議。この際、TBS側はプロデューサーの指示のもと、編集済みVTRをオウム関係者に見せたという。通常、報道番組の放送前に取材対象者へ内容を公開することは極めて異例であり、報道機関としての中立性・独立性が疑問視される事態となっている。
TBSは「安全を考慮し、例外的に対応した」と釈明しているが、報道機関としての倫理的問題は極めて重大であり、各界から批判の声が相次いでいる。
さらに、このVTRに登場予定だった元信者・坂本堤弁護士は、この直後に失踪しており(※事件発生は翌月)、本件との関係が今後の焦点となる可能性もある。
今回のTBSによるVTR視聴容認は、メディアと取材対象の関係性の在り方、そして報道の自由と責任について、日本のテレビ報道界に大きな波紋を広げている。
— RekisyNews 社会面 【1989年】
