【東京 10月25日】
環境保全と資源循環型社会の構築を目指す日本において、本日、「再生資源の利用の促進に関する法律(通称:リサイクル法)」が施行された。この法律は、事業者や地方自治体などに対し、再生資源の積極的な利用を促進する努力義務を課すものであり、国を挙げた本格的なリサイクル推進策の第一歩となる。
リサイクル法では、再生資源の利用を進めることが資源の有効活用と環境への負荷軽減につながるとの理念に基づき、官公需における再生製品の優先調達や、特定事業者への指導・勧告の権限などが盛り込まれている。また、国や自治体が示す「再生資源利用指針」に基づき、紙、金属、プラスチックなどの再生品の利用を積極的に進めることが求められている。
背景には、1980年代以降の大量消費・大量廃棄のライフスタイルに対する見直しと、埋立地不足や廃棄物処理コストの増加といった社会的課題がある。環境庁や通商産業省(現・経済産業省)を中心に議論が進められ、ようやく今回の施行に至った。
市民レベルでも、ごみの分別収集や再資源化への関心が高まりつつあり、自治体の取り組みに期待がかかる。専門家からは「法的な枠組みだけでなく、国民の理解と協力が不可欠」との声も上がっており、持続可能な社会の実現には今後の実効性ある運用が問われる。
このリサイクル法の施行は、循環型社会への転換を志向する日本における、記念すべき環境政策の節目となる。
— RekisyNews 社会面 【1991年】
