「天才少女歌手」美空ひばり、銀幕デビュー──『悲しき口笛』封切りに喝采

【東京 10月24日】

本日、松竹映画『悲しき口笛』が封切られ、主演を務めた12歳の歌手・美空ひばり氏が、ついに映画デビューを果たした。戦後の混乱期に生きる孤児を演じた本作で、ひばり氏は主題歌「悲しき口笛」を情感たっぷりに歌い上げながら、観客の涙を誘う演技を披露。劇場は満席となり、立ち見客が出るほどの盛況を見せた。

本作は、戦災孤児の少女が数奇な運命を乗り越え、歌によって再び生きる力を見出していく物語。美空氏は劇中で幾度も歌声を響かせ、「歌う演技派」として鮮烈な印象を残した。これまでラジオや舞台で人気を集めてきた彼女の、映画界への進出に関係者の注目も高まっている。

観客のひとりは「小さな体から溢れるあの声に胸を打たれた」と語り、映画館のロビーでは「もう一度観たい」という声も多く聞かれた。

松竹は今後、ひばり氏を起用した新作映画の製作を予定しており、戦後の国民的スターとしての飛躍が期待されている

— RekisyNews 芸能面 【1949年】

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