【メキシコシティ 10月24日】
自動車レースの最高峰・フォーミュラ1世界選手権(F1)第10戦メキシコグランプリ決勝が本日、メキシコシティ郊外のアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットにて開催され、ホンダのリッチー・ギンサー選手(アメリカ)が見事優勝を果たし、日本のホンダにとってF1初の栄冠となった。
ホンダは1964年からF1に参戦し、技術力の高さで注目されていたが、これまで勝利にはあと一歩届かずにいた。しかし、今大会では新型車RA272の信頼性とパワーが光り、ギンサー選手はスタートから安定した走りを披露。60周を1時間55分6秒28で走破し、2位のグラハム・ヒル選手(BRM)を抑えてトップでチェッカーフラッグを受けた。
ホンダのマシンには日本製V12エンジンが搭載されており、今回の勝利は純国産技術による世界制覇の第一歩として、日本の自動車産業にとって歴史的快挙となる。ピットでは技術者や関係者が歓喜に沸き、「日本の技術で世界と戦えることを証明できた」と涙ながらに語った。
本年のF1選手権タイトルは、すでにジム・クラーク選手(ロータス)が獲得していたが、ホンダの勝利は大きな話題となり、今後のシーズンに向けて各チームからも注目が集まりそうだ。
ホンダは「これを通過点とし、さらなる勝利を目指す」としており、世界のモータースポーツ界における日本の存在感は、今後さらに高まることが予想される。
— RekisyNews スポーツ面 【1965年】
