【東京 10月23日】
講談社は本日、日本初の本格的写真週刊誌『FOCUS(フォーカス)』を10月30日号として創刊すると発表した。「写真に特化した報道」を掲げる同誌は、事件・芸能・政治・社会現象まで幅広く網羅し、読者の視覚に訴えるスタイルで新たな週刊誌文化の創出を狙う。
『FOCUS』の最大の特徴は、報道写真を主軸に構成される誌面展開である。海外の『LIFE』誌や『TIME』誌の影響を受けつつも、国内事件や芸能スキャンダルなど、より生活に密着したテーマを中心に構成される。創刊号では早くも、著名政治家の私生活や芸能人のスキャンダルに切り込む写真が掲載される予定で、出版界に波紋を呼んでいる。
編集部は「文字では伝わりにくい“瞬間の真実”を伝える」と強調し、カメラマンによる張り込みや独自取材にも力を入れていく構え。このような手法には、プライバシーとの兼ね合いで懸念の声もあるが、視覚的な訴求力は抜群であり、今後の読者の反応が注目される。
近年、活字離れや情報過多の中で、短時間で情報を得られるビジュアル中心の雑誌へのニーズは高まっており、『FOCUS』はその先駆けとして市場に新風を巻き起こすことが期待される。
出版業界では今後、視覚メディアとしての週刊誌の価値が再評価される可能性もあり、同誌の動向は他社の雑誌戦略にも影響を与えそうだ。
— RekisyNews メディア面 【1981年】