【東京 10月22日】
本日神宮球場で行われた東京六大学野球の名物カード・早慶戦において、前代未聞の騒動が発生した。試合終盤、判定に不満を抱いた早稲田側の応援席から、慶應の四番打者・水原茂選手に向けて“リンゴの芯”が投げ込まれた。
この行為に対し、水原選手は憤慨し、芯をそのままスタンドへ投げ返した。これをきっかけに両校の選手・応援団が騒然となり、グラウンド内外で怒号が飛び交う異例の雰囲気に包まれた。
試合は、終盤に慶應が逆転勝利を決めた瞬間、早大応援団の一部が慶應応援席になだれ込み、ついには乱闘へと発展。周囲の観客も巻き込まれる形となり、神宮球場内は一時騒然たる事態となった。この混乱を収拾するため、警視庁の警官隊が出動。球場内の秩序回復にあたる異例の対応となった。
両校の監督・関係者は事態を深く憂慮しており、今後の再発防止策が急務となる。六大学野球は学生スポーツの象徴ともいえる存在であり、このような暴力的混乱が繰り返されれば、競技の存続にも影響が及びかねない。
— RekisyNews スポーツ面 【1933年】