長崎オランダ村、20年の歴史に幕──閉園セレモニーに別れ惜しむ声

【長崎県西彼杵郡 10月21日】

西海町(現・西海市)にある観光施設「長崎オランダ村」が本日、1983年の開園から約20年間の歴史を経て正式に閉園した。この日は、最後の来園者を迎える特別イベントやセレモニーが行われ、多くの人々が名残を惜しんだ。

オランダ村は、江戸時代の出島などに代表される長崎とオランダの歴史的交流をテーマとし、風車・運河・レンガ造りの建物などでヨーロッパの街並みを再現したテーマパークとして人気を博した。最盛期には年間200万人を超える来場者を記録し、九州を代表する観光地の一つとなっていた。

しかし、近年の入場者数の減少や観光ニーズの多様化により、経営は厳しさを増していた。1992年にはハウステンボスが開業し、テーマが類似することから競合の影響も受けたとされる。

この日訪れた50代の男性は「子どもと何度も訪れた思い出の場所。閉園は寂しいが、ありがとうと伝えたい」と語った。施設では記念グッズの販売や、風車前での最後の記念撮影に長い列ができるなど、閉園を惜しむ光景が広がった。

今後、跡地の活用については未定とされているが、地元自治体は「地域振興に資する形で再活用を検討したい」としている。

“異国情緒”を体験できる唯一無二の空間は、静かにその幕を下ろした。

— RekisyNews 社会面 【2001年】

アイキャッチ画像 ja:User:Sanjo – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15167747による

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