【鈴鹿 10月21日】
三重県・鈴鹿サーキットで開催された1990年F1世界選手権第15戦・日本グランプリ決勝レースにおいて、ラルース・ローラ所属の鈴木亜久里選手(30)が3位でゴールし、日本人初のF1表彰台という歴史的快挙を達成した。
この日は、レース序盤に大波乱が起きた。ポールポジションのアイルトン・セナ(マクラーレン)と2位スタートのアラン・プロスト(フェラーリ)が第1コーナーで接触、両者リタイアとなる衝撃の展開に。この瞬間、セナのワールドチャンピオンが確定し、同時に優勝争いの構図が大きく変わった。
鈴木選手は10番グリッドからスタート。安定したペースで走行を続け、リタイアやトラブルで次々と脱落するマシンを尻目に着実に順位を上げていく。そして、最終ラップには3位でフィニッシュし、日本人として初のF1表彰台に登壇した。
レースの優勝は、ベネトン・フォードのネルソン・ピケ選手。2位には同じくベネトンのロベルト・モレノが入り、ベネトンにとっては1-2フィニッシュという記念すべき日となった。
表彰式では、大観衆の前で鈴木選手が笑顔と感涙の入り混じった表情で日の丸を背に立つ姿が映し出され、場内からは万雷の拍手が送られた。
鈴木選手はインタビューで「夢のようです。皆さんの応援が力になりました。日本人でもやれるんだと証明できてうれしい」と語った。
多くのトップ選手が脱落する“サバイバルレース”の中、ノートラブルで完走した集中力と堅実なドライビングは、まさに歴史に残る一日となった。
— RekisyNews スポーツ面 【1990年】
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