東京専門学校、創立──学問の独立を掲げる新たな学び舎誕生

【東京 10月21日】

本日、東京・戸山ヶ原の地に「東京専門学校」が正式に設立された。この新たな学び舎は、自由で独立した学問の場の確立を目指し、実学と人格教育の融合を理念に掲げている。創立者であり、初代校長に就任したのは、元官僚で政治家・言論人としても知られる大隈重信氏である。

校内では、文学・政治・経済など多様な学問分野が準備されており、授業は主に英語を用いて行われる予定だ。特に文学分野には、文学者として名を馳せつつある坪内逍遥氏も教授陣として名を連ねており、学問と時代精神を融合させた先進的な教育が期待されている

創立式典では、大隈氏が「官学の枠にとらわれぬ、真に独立自由の精神を持った人材を育てる場が必要である」と力強く語り、官主導の教育に一石を投じる意義を強調した。この学校が、国家の未来を担う人材を育てる場として、自立と実学の精神を根幹に据える姿勢が明確に打ち出された

仮校舎は木造の簡素な建物だが、すでに多数の志ある若者が入学を希望しており、今後の発展が期待される。東京大学などの官立学校とは異なる理念と方針を掲げ、明治日本における私学の可能性を広げる存在として注目を集めている

東京専門学校の誕生は、近代日本の高等教育における多様性の幕開けを象徴する一歩といえよう。

— RekisyNews 教育面 【1882年】

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