【南アメリカ南端 10月21日】
ポルトガル出身の航海者フェルディナンド・マゼランが率いるスペイン王室公認の艦隊が、本日ついに南アメリカ大陸の南端で未知の海峡を発見した。艦隊は現在、その狭く複雑な水路の探索を慎重に進めており、この水路が「西回り」でアジアへと至る新たな航路となる可能性が浮上している。
マゼラン艦隊は、昨年9月にスペイン・セビリアを出港。大西洋を南下し、途中の停泊地で補給を行いながら、およそ1年をかけて南米大陸の沿岸を丹念に調査してきた。これまで、太平洋と大西洋を結ぶ明確な水路は発見されていなかったが、本日ついに南端付近に広がる複雑な湾と海峡の入り口に到達した。
この海峡は、両岸を断崖と雪を頂く山々に囲まれた極めて厳しい自然環境にあり、潮流や風向きも不規則で、航行には高い技術と慎重さが求められる。艦隊は現在、サン・アントニオ号、コンセプシオン号、トリニダード号など数隻が順次進入し、海峡の全容を調査中。
マゼラン自身は、「この海峡の先にこそ、香辛料の島々へ続く平穏な海が広がっているはずだ」と語っており、アジアとの新たな貿易航路の確立に強い自信を見せている。
この発見が確かであれば、ポルトガルが独占してきたアフリカ東回りの航路に対抗する、新たなスペインの海上覇権が築かれることになる。世界地理の書き換えが迫る中、マゼラン艦隊の今後の航海に大きな注目が集まっている。
— RekisyNews 国際面 【1520年】