【東京・日比谷 10月20日】
本日、東京・日比谷の一角に最新鋭の多目的劇場「日生劇場(にっせいげきじょう)」が開場した。経済成長著しい日本において、文化・芸術の振興を目的とし、日本生命保険相互会社の支援により建設された同劇場は、演劇・オペラ・バレエなど多様な舞台芸術に対応できる本格的施設として注目を集めている。
建物は世界的建築家・村野藤吾氏の設計によるもので、外観はモダンでありながらも日本的な美意識が随所に感じられ、内部は豪奢な内装と優れた音響設計が融合。座席数は約1,300席で、天井には独特の漆喰仕上げと照明が施され、観客に包み込まれるような空間を提供している。
開場記念として行われたこけら落とし公演では、東京フィルハーモニー交響楽団による演奏と、日本を代表する舞台俳優陣による演劇上演が披露され、来場者からは「都心に真の芸術劇場が誕生した」と称賛の声が上がった。
また、日生劇場は教育活動にも力を入れる予定で、将来的には若い世代に向けた舞台芸術体験の場としても積極的に活用される方針だという。
関係者は「単なる興行施設ではなく、日本の文化芸術の中核を担う場として発展していきたい」と語った。
日比谷の地に新たに灯った文化の火は、これから多くの人々の心を照らしていくことだろう。
— RekisyNews 文化面 【1963年】