世界市場が震撼──ニューヨーク株式市場、史上最大の下落幅を記録

【ニューヨーク 10月19日】

本日、ニューヨーク証券取引所で記録的な株価の大暴落が発生し、ダウ工業株30種平均が前週末比508ドル安(下落率22.6%)という前例のない下げ幅を記録した。これは1929年の「暗黒の木曜日」を上回る史上最大の1日下落率であり、世界の金融市場に深刻な影響を及ぼす様相を呈している。

この急落の直接的な原因としては、過熱する株式相場に対する過剰評価懸念、金利上昇、貿易赤字拡大への不安感、そしてコンピュータによる自動売買の連鎖が指摘されている。売りが売りを呼ぶ悪循環の中で、多くの投資家がパニック状態に陥り、場中には一時、取引停止も検討されたという。

市場の混乱はニューヨークにとどまらず、ロンドン、東京、フランクフルト、シドニーといった主要市場にも波及。時差の関係で、明日以降のアジア・欧州市場ではさらなる下落が懸念されており、世界同時株安の様相が現実味を帯びている。

投資家やアナリストの間では、今回の暴落が景気後退の前触れか、それとも一時的な調整に過ぎないのかについて意見が分かれている。アメリカ政府は、市場の安定を図るための緊急対策を検討していると発表したが、詳細は明らかにされていない。

ウォール街の一角では、青ざめた表情で取引所を後にする人々の姿が相次ぎ、ある証券会社員は「まさにブラックマンデーだ」と語った。この言葉が今後の金融史に刻まれるのは、間違いないだろう。

— RekisyNews 経済面 【1987年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次