【ボルドー 10月19日】
本日、フランス国王シャルル7世がガスコーニュ地方の要衝ボルドーに凱旋入城し、イングランドとの長きにわたる戦争が事実上の終結を迎えた。これにより、1337年より続いてきた英仏両国の武力抗争が、116年に及ぶ年月を経てついに幕を下ろすこととなった。
王は、昨年のカスティヨンの戦いでイングランド軍に決定的勝利を収めたのち、徐々に南西部の支配を回復。本日の入城により、イングランド側のガスコーニュにおける最後の拠点が正式に王の手に戻った形となる。市内では鐘が鳴り響き、民衆は王の到着を熱狂的に迎えた。
ボルドーは百年以上にわたりイングランドの支配下にあった都市であり、ワイン交易などを通じて英仏双方にとって重要な拠点であった。その奪還は、シャルル王の治世における象徴的勝利となり、フランス王権の正統性と統一の象徴として高らかに掲げられている。
一方、イングランドでは先の敗北を受けて政情が不安定化。若き王ヘンリー6世の治世は混乱を深め、政権内部では対仏政策の見直しを求める声も強まっている。もはや大陸における領土維持は困難との見方が広がり、今後の焦点は国内の安定回復に移るものと見られる。
百年を超える戦火により荒廃したフランス各地では、復興と治安回復が急務となる。王は入城にあたり、「我が民に平和と秩序を取り戻す」と語り、再建への決意を示した。
剣を収めたこの日が、フランスにとって真の再生の日となるのか──王と国民の試練は、まだ始まったばかりである。
— RekisyNews 国際面 【1453年】