バルカン全域で戦火拡大──ブルガリア・ギリシャ・セルビアがオスマン帝国に宣戦布告

【ソフィア 10月17日】

本日、バルカン半島の情勢がさらに緊迫の度を増した。ブルガリア、ギリシャ、セルビアの三国は、相次いでオスマン帝国に対し正式な宣戦を布告。これにより、今月8日に開戦したモンテネグロとの戦闘に続き、バルカン同盟諸国が全面的にオスマン領への攻勢を開始する構えが明確となった。

三国の動きは、すでに密かに結ばれていた「バルカン同盟」協定に基づくもので、バルカン半島におけるオスマン帝国支配の終焉を狙うものと見られている。各国はすでに国境線沿いに兵力を展開しており、明日以降、本格的な軍事行動が始まる可能性が高い

これに先立つ今月8日、モンテネグロがオスマン帝国に先制攻撃を加え、旧ヘルツェグ・ノヴィ地方の砦を砲撃。その後も緊張が高まっていたが、三国の宣戦布告により事態は一気に大規模戦争へと発展した。

ブルガリア政府は声明で「バルカンにおける正義と民族自決の実現を目指す」と主張。ギリシャ首相ヴェニゼロスも「ヘレニズムの擁護」を掲げ、セルビアではスラヴ民族の保護を訴える世論が高まっている。

一方、オスマン帝国は、ロドピ山脈やマケドニア方面などで迎撃の構えを取っており、既に散発的な戦闘が報告されている。軍中央は「帝国の威信にかけて反撃する」と強硬な姿勢を崩していない。

列強諸国は急速に拡大する戦線を懸念しており、バルカン地域が欧州全体の火種となる可能性を指摘する声も出始めている。

— RekisyNews 国際面 【1912年】

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