【ロサンゼルス 10月16日】
本日、ウォルト・ディズニー(22)と兄のロイ・O・ディズニー(30)が、カリフォルニア州ロサンゼルスにてアニメーション制作会社「ディズニー・ブラザーズ・カートゥーン・スタジオ(Disney Brothers Cartoon Studio)」を正式に設立した。
設立のきっかけは、ウォルトが手掛けた短編アニメ『アリスのコミック・ランド(Alice’s Wonderland)』のフィルムが、ニューヨークの配給会社MJウィンクラー社から契約を獲得したこと。これにより、シリーズ化が決定し、制作拠点を本格的に立ち上げる必要が生じたという。
本スタジオは今後、実写とアニメーションを融合させた画期的な短編作品「アリス・コメディ」シリーズを主力として制作していく方針で、すでに制作第一作に着手している模様。
ウォルト・ディズニー氏は以前、カンザスシティで「ラフ・オー・グラム・スタジオ」を設立していたが、資金難で閉鎖。今回のロサンゼルスでの再起に、「失敗から学んだことをすべて注ぎ込みたい」と意気込みを語った。
現在はまだ小規模なスタジオだが、兄ロイの経営支援のもと、革新的なアイディアと技術への情熱により、アニメーション業界での飛躍が期待されている。
この小さなスタートが、後のアニメーション界にどのような影響を与えるのか──若きディズニー兄弟の挑戦が今、静かに始まった。
— RekisyNews 経済面 【1923年】