【パリ 10月16日】
本日午前11時頃、元フランス王妃マリー・アントワネットが、パリ革命広場(旧ルイ15世広場)に設置された断頭台にて、ギロチンにより処刑された。享年37。
王政廃止後、王妃は8月1日にコンシェルジュリー監獄へと移送され、今月14日に革命裁判所による審理が開始された。審理はわずか2日間で終結し、国家と人民への反逆、浪費の象徴、さらには不道徳の噂などが次々と糾弾され、有罪が確定。本日朝、囚人服に身を包み、荷車に揺られ処刑台へと向かう姿が市民の注目を集めた。
かつて「オーストリア女」として民衆から嫌われた彼女は、贅沢の限りを尽くしたヴェルサイユの生活でも批判を浴び、特に「パンがなければケーキを食べればいい」の逸話(※真偽は不明)は革命精神の象徴的敵として語られてきた。
本日、広場には多くの市民が詰めかけ、処刑の瞬間を見届けた。彼女は毅然とした態度で断頭台に登り、最後の言葉は明確には聞き取れなかったが、一部によれば「私はあなたを傷つけるつもりはなかった」(刃を踏んでしまった処刑人への言葉)であったとも伝えられる。
昨年1月のルイ16世の処刑に続き、旧王政の中心的存在であった王妃の死は、革命の一つの節目とされる。市民の中には歓声を上げる者もいたが、一部には静かに十字を切り、元王妃の魂を悼む姿も見られた。
共和国の理念「自由・平等・友愛」のもと、革命は新たな局面へと突入していく。
— RekisyNews 国際面 【1793年】