パリ・ルーヴル、美術館として開館 “共和国中央美術館”を一般に公開

【パリ 8月10日】
王宮ルーヴルが本日、**「共和国中央美術館(Musée Central des Arts)」**として一般公開を開始した。国民公会の芸術委員会が所蔵品の整理を進め、王室コレクションや教会財産から移された名品を中心に、サロン・カレとグランド・ギャルリーの一部が展示空間として整えられた。開館日は革命の節目となる「8月10日」に合わせられ、市民文化の象徴施設としての出発を印象づけた。

朝から入場口には長い列ができ、来場者は係員の誘導で広間へ。壁面には新たに番号札と作品名の札が掲げられ、**市民が“読むように鑑賞する”**工夫が施された。若い画学生は写生道具を抱えて作品前に陣取り、年配の来場者はガイドの解説に耳を傾ける。館内は混雑を避けるため一方通行とし、窓上部には採光のための覆いが設けられた。

運営を担う委員は「芸術は王侯の嗜みではなく、市民の教育である」と強調した。無料公開日を含む週3日の一般公開を基本とし、順次、展示室と収蔵庫の整備を拡大するという。今後は地方から集まる押収美術品の受け入れ、修復工房の常設、目録作成の加速が課題となる。

パリ市当局は動線整理と所蔵品保全のため入場者数を適時制限する方針で、「群衆での接触や作品への接近は避け、係員の指示に従ってほしい」と呼びかけた。広場では祝砲が鳴り、来場者の一人は「ここに来れば、王の宝物だった絵が共和国の知恵として私たちのものになる」と笑顔を見せた。

— RekisyNews 文化部【1793年】

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