【ロサンゼルス 10月15日】
本日、セガ・オブ・アメリカは、北米市場向けの新型ゲーム周辺機器「SEGA CD(セガ・シーディー)」の販売を正式に開始した。これは、同社の16ビット家庭用ゲーム機「GENESIS(北米版メガドライブ)」に接続するCD-ROMドライブであり、次世代ゲーム体験の提供を狙った意欲的な製品である。
SEGA CDは、CD-ROMメディアの大容量を活かし、従来のカートリッジでは不可能だったアニメーション映像や高品質な音声の導入を可能にする。発売と同時にリリースされた『Silpheed』『Sherlock Holmes: Consulting Detective』『Sewer Shark』などは、実写映像を取り入れた“インタラクティブムービー”という新たなジャンルを提示し、ゲームの表現領域を大きく広げるものとなっている。
本体価格は299ドルとやや高額ながら、ソニー製のCDドライブユニットを搭載し、32,000色のグラフィック表示や10倍以上の記憶容量を誇る点などが高く評価されている。ゲームファンの間では「未来のゲーム機」として注目が集まっており、年末商戦の目玉商品となる見通しだ。
セガは、日本国内ではすでに「メガCD」として発表済みで、欧州市場への展開も予定している。任天堂の牙城が厚い北米市場において、GENESISとSEGA CDの連携によりさらなるシェア拡大を狙う構えだ。
— RekisyNews 経済面 【1992年】
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