【ニューヨーク 10月15日】
本日夜、CBSテレビにて、新作シチュエーション・コメディ『アイ・ラブ・ルーシー(I Love Lucy)』の第1話が放送された。主演はコメディ女優ルシル・ボールと、彼女の実生活の夫であるキューバ出身の俳優・歌手デジ・アーナズ。新番組は、ニューヨークを舞台にした中産階級の夫婦の日常をユーモアたっぷりに描く作品で、初回から多くの視聴者を釘付けにした。
記念すべき第1話では、主人公ルーシー・リカルドが夫リッキーのテレビ番組に出演しようとあの手この手で奮闘する姿が描かれ、ルシル・ボールの軽快なテンポと絶妙な表情芸が早くも評判となっている。
本作の注目点は、3台のフィルムカメラによる撮影とライブ観客の前での収録という革新的な制作方式にある。これにより、舞台劇の臨場感と映画の編集技術を融合した、テレビ史上初の本格的な「録画式シットコム」として位置づけられている。
また、本作はルシル・ボールが自らの製作会社「デシル・プロダクションズ」を通じて制作に深く関わっており、女性スターによる自主演出の先駆けとしても注目を集めている。
番組終了後、CBSにはすでに多くの反響が寄せられており、「ルーシーのような妻が隣にいたら、毎日が楽しくなりそうだ」との声も聞かれる。アメリカの家庭に笑いと共感を届ける新たな定番番組として、今後の展開が期待されている。
— RekisyNews 文化面 【1951年】