【ワシントン 10月15日】
本日、アメリカ政府はキューバに対する海上封鎖措置を事実上開始したことが明らかとなった。これは、ソビエト連邦がキューバ領内に核ミサイル基地を極秘裏に建設しているとの情報を受け、ケネディ政権が重大な国家安全保障上の脅威と判断した結果である。
関係筋によれば、アメリカ偵察機U-2がキューバ上空を飛行中、ソ連製中距離弾道ミサイル(MRBM)と推定される兵器を搭載した発射台および施設を確認。写真分析は、核弾頭の即時配備が可能な段階に近づいていることを示している。
これを受け、米海軍はカリブ海全域に艦艇を展開し、ソ連の貨物船・補給船がキューバに向かうことを阻止すべく監視を強化。公には「防衛的措置」とされるが、実質的には海上封鎖(ナバル・クアランティン)に他ならず、国際社会では事態の深刻化に強い懸念が広がっている。
国務省では現在、国連を通じた外交的調整も模索されているが、米ソ両国のいずれも強硬姿勢を崩していない。ホワイトハウス関係者は、「我々の大陸が核の脅威に晒されることは断じて容認できない」とコメントし、強い決意を滲ませた。
この動きにより、キューバ問題は米ソ両超大国が直接対峙する極度の緊張局面へと発展。核戦争の危機さえ取り沙汰される中、世界は静かに息を呑んで成り行きを見守っている。
— RekisyNews 国際面 【1962年】