イタリア、ドイツに宣戦布告──王国政府、正式に連合国側に立つ

【ローマ 10月13日】

本日、イタリア王国政府はナチス・ドイツに対し正式な宣戦布告を行い、ドイツとの同盟関係を完全に断ち切った。この動きにより、イタリアは枢軸国としての立場を離れ、明確に連合国側に転じたことになる。

宣戦布告は、臨時政府のピエトロ・バドリオ首相の名のもとに発せられた。声明では、「ドイツ軍はイタリア国民と国家主権に対する重大な脅威であり、もはや友邦ではない」と明言され、9月の連合国への休戦に続く、明確な敵対行動への移行となった。

イタリアは7月のムッソリーニ政権崩壊後、バドリオ内閣の下で連合国との休戦交渉を進め、9月3日に秘密裏に降伏文書に調印。その後の公表とともにドイツ軍はイタリア国内で武装解除を強行し、要所を占拠。多くのイタリア兵が disarmed され、国土の一部は事実上の占領状態に陥っていた。

ドイツの反撃は激しく、イタリア北部および中部は現在もドイツ軍の支配下にあり、旧ファシスト勢力による再編成の動きも見られる。一方で、連合軍は南部に進駐を続け、ナポリを確保。今後の軍事展開において、イタリア国内が新たな戦場の中心となる可能性が高い。

王家とバドリオ政権は南部のブリンディジを臨時首都とし、国民に対しドイツに対する武装抵抗を呼びかける声明を発表。国内各地ではレジスタンスの活動が活発化しており、今後の展開次第では内戦状態に突入する恐れも指摘されている。

かつて枢軸の一角として戦争を進めたイタリアは、いまや連合国側の一員として元同盟国ドイツと対峙する運命を選んだ。その背景には、戦局の悪化と国民の反ファシスト感情の高まりがあったと見られている。

— RekisyNews 国際面 【1943年】

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