米海軍艦「コール」、イエメン・アデン港で爆発──自爆攻撃か、死傷多数

【アデン 10月12日】

本日、イエメン南部のアデン港にて、アメリカ海軍の駆逐艦「コール(USS Cole)」が補給中に爆発を受ける事件が発生した。爆発は午前11時過ぎ(現地時間)に起こり、艦体左舷中央部が大きく破損。これまでに乗員17名の死亡、30名以上の負傷が確認されており、米国防総省は「テロ攻撃の可能性が極めて高い」との見解を示している。

関係筋によれば、事件発生時、「コール」は通常の給油作業のため港に停泊していたが、近づいてきた小型ボートが艦体に接触する直前に爆発。その威力は凄まじく、船体には幅9メートル、深さ12メートル以上に及ぶ大穴があいたという。爆発の衝撃で艦内では火災が発生し、多くの乗員が混乱の中で救助活動にあたった。

米政府は直ちにFBIや海軍犯罪捜査局(NCIS)などの合同調査団を現地へ派遣。爆発に使われたとされる小型ボートや爆薬の痕跡から、国際的なテロ組織による犯行とみられる。現地報道では、事件の背景にイスラム過激派の関与があるとの見方が強まっており、アフガニスタンを拠点とする過激組織「アルカーイダ」との関連も取り沙汰されている

事件を受け、ワシントンでは国防総省と国務省が緊急会合を開き、中東地域の米軍部隊や在外施設の警戒レベルを引き上げた。クリントン大統領は声明で、「本日の攻撃は卑劣かつ許されざる行為であり、断固たる対応を取る」と述べ、国際社会に対しテロとの連携対策を呼びかけた。

「コール」はイージス艦アーレイ・バーク級に属する駆逐艦で、対空・対艦・対潜能力に優れる最新鋭艦。事件当時、中東海域における通常の航行任務の一環でアデン港に立ち寄っていた。

米軍にとっては1996年のサウジ・ダラン爆破事件以来の大規模な犠牲であり、今後の対テロ戦略に影響を与える可能性がある。

— RekisyNews 国際面 【2000年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次