【ミュンヘン 10月12日】
本日、バイエルン王国の都ミュンヘンでは、皇太子ルートヴィヒ殿下とテレーゼ・フォン・ザクセン=ヒルトブルクハウゼン王女のご成婚を祝う盛大な市民祭典が執り行われた。会場となったのは市門外の草地で、数千人にのぼる市民が参加し、まさに王国を挙げた祝いの一日となった。
催しの目玉は午後に開催された騎馬競技(ホースレース)であり、選ばれた若き騎士たちが王と市民の前で華麗な手綱さばきを披露。沿道を埋めた市民たちは歓声を上げ、場内は大きな熱気に包まれた。観覧席にはマクシミリアン1世ヨーゼフ国王と王妃も姿を見せられ、新郎新婦となるルートヴィヒ殿下とテレーゼ王女の仲睦まじい様子に、多くの市民が感動の拍手を送った。
この草地は今後、テレーゼ王女の名をとって「テレージエンヴィーゼ(Theresienwiese)」と呼ばれることとなり、王室と市民との結びつきの象徴として、後世に残る意義深い名称となる見込みである。
祝典では音楽隊による演奏、地元醸造所によるビールと軽食の提供も行われ、市民は王室の寛大さに感謝しながら、夜遅くまで歓談と踊りを楽しんだ。地元紙では「王室と市民がともに祝う祝祭は、これまでにない感動をもたらした」と評されており、今後もこのような催しが継続されることを望む声も多い。
王太子殿下のご成婚は、バイエルンとザクセン=ヒルトブルクハウゼン両家の友好を象徴するものでもあり、ヨーロッパ情勢の緊張が続く中においても、平和と繁栄を希求する王国の姿勢が改めて示された形だ。
— RekisyNews 社会面 【1810年】