【東京 10月12日】
本日、国土計画株式会社(西武グループ)は記者会見を開き、福岡を本拠地とするプロ野球球団「クラウンライターライオンズ」を買収し、来季より本拠地を埼玉県所沢市に移転する方針を正式に発表した。これにより、球団は来季から「西武ライオンズ」として新たなスタートを切ることとなる。
発表は都内のホテルで行われ、西武グループを率いる堤義明氏が登壇。プロ野球参入の背景について、「地元所沢に建設中の西武球場を活用し、地域密着型の球団運営を目指す」と説明した。西武鉄道沿線の地域振興と、スポーツを通じた企業イメージ向上を図る狙いもにじむ。
クラウンライターライオンズは、もともと「西鉄ライオンズ」として福岡で親しまれてきた球団で、西日本を代表する存在として一時代を築いた。だが、親会社の交代や成績不振、観客動員の低迷などにより、球団経営は長年苦境にあった。
所沢市には現在、西武グループ主導で建設が進められている「西武ライオンズ球場(仮称)」が来春の開場を予定しており、球団はこの新球場を本拠地として使用する予定。西武グループは、球場周辺のインフラ整備も進め、鉄道やバスによるアクセスの利便性をアピールしている。
これにより、日本プロ野球界では12球団の本拠地分布に再び大きな変動が起きることとなり、特に九州地方にとっては球団の空白状態が生まれる形となる。福岡のファンからは落胆と戸惑いの声も多く、「なぜ福岡を捨てるのか」という意見が各地で聞かれた。
一方で、首都圏での新たな球団運営に期待する声も大きく、「これを機にセ・パ両リーグの人気格差是正に繋がれば」と語る関係者もいる。
西武ライオンズとしての船出がどのような結果をもたらすか、来季の注目が早くも集まっている。
— RekisyNews スポーツ面 【1978年】