【那覇 8月10日】
沖縄都市モノレール(愛称ゆいレール)が本日開業し、那覇空港駅―首里駅間12.9km・15駅の営業運転を開始した。終点までの所要は約27分。戦後、沖縄本島で初めての“軌道系”公共交通が稼働し、空港と都心・首里を結ぶ新しい移動の背骨が生まれた。
運行は第三セクター・沖縄都市モノレール株式会社が担い、跨座式の高架モノレールに2両編成(1000形)を投入する。始発から終電までおおむね6〜15分間隔で運行し、昼間は開業時点で12分間隔/一日202本のダイヤを組んだ。営業はおよそ6:00〜23:30で、全駅がバリアフリー対応となっている。
空港アクセスの強化と慢性渋滞の緩和が導入の狙い。県は「公共交通の軸を定時・定速のモノレールに置くことで、観光と日常の双方で“移動の質”を上げる」と説明する。那覇空港・県庁前・おもろまち・首里など主要結節点を一気に結び、乗継ぎのしやすい都心動線が整った。
沿線では、駅前広場や歩行者デッキの整備が進み、商業施設も相次いで開業。初日のホームは記念乗車券を求める家族連れと観光客でにぎわい、車窓から見える海と街の眺望に歓声が上がった。関係者は「空港からそのまま市街へ “時間の読みやすさ”が最大の価値」と胸を張る。
今回の開業は、第二次世界大戦以降で沖縄を運行する初の鉄道の復活でもある。県は将来的な延伸も視野に入れ、地域公共交通の軸として定着を図る方針だ。
— RekisyNews 経済面【2003年】