【アンガモス沖 10月8日】
本日早朝、チリとペルー間で続く紛争の中で、戦局を大きく左右する激しい海戦がアンガモス岬沖にて勃発した。 チリ海軍は、ペルー海軍の装甲砲艦「ワスカル号」を捕獲することに成功し、太平洋沿岸の制海権を握る決定的な一歩を踏み出した。
この戦闘は、通称「太平洋戦争(ペルー・ボリビア連合 vs チリ)」の最中に起きたもので、ペルー側の英雄ミゲル・グラウ提督が指揮するワスカル号と、チリ艦「ブランコ・エンカラダ」および「コクラン号」などが交戦。
目撃者によると、未明より砲声が鳴り響き、海面には黒煙と炎が立ちこめる激戦となった。 グラウ提督は冷静に操艦し、果敢な砲撃を加え続けたが、戦闘中に敵弾を受け戦死。艦内も甚大な被害を受けたワスカル号は、最終的に拿捕される結果となった。
グラウ提督の死はペルー国民にとって深い衝撃を与えており、今後の士気に影響が及ぶ可能性がある。 一方、チリ国内ではこの勝利を称える祝賀の声が高まり、政府筋は「敵の象徴的存在を制した歴史的勝利」と高らかに宣言している。
今回のアンガモス海戦は、単なる一戦にとどまらず、チリが制海権を確保し、今後の陸上作戦を有利に進めるうえで極めて重要な意味を持つ。 専門家の間では、これによりペルー・ボリビア連合軍の南部補給線に大きな影響が出るのは避けられないとの見方が広がっている。
ミゲル・グラウ提督の勇戦と死は、すでに「海の殉教者」として語り継がれつつあり、国民的英雄としての評価が一層高まりそうだ。
— RekisyNews 国際面 【1879年】