佐藤栄作元首相、ノーベル平和賞受賞決定──非核三原則と沖縄返還外交に国際的評価

【オスロ 10月8日】

ノルウェーのノーベル賞委員会は本日、1974年のノーベル平和賞を日本の佐藤栄作元内閣総理大臣(73)に授与することを発表した。日本人としては初の平和賞受賞であり、在任中に掲げた「非核三原則」および沖縄返還交渉の平和的解決が高く評価された。

同賞は、アイルランド出身の国際法学者・外交官で、アムネスティ・インターナショナル創設に貢献したショーン・マクブライド氏との同時受賞となる。マクブライド氏はかつて国際連合でナミビア問題担当高等弁務官などを歴任し、人権保護と国際平和への尽力が知られている。

ノーベル委員会は、佐藤氏が1967年に「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の三原則を国是として打ち出し、非核国家としての日本の立場を国際社会に明確にしたことを特筆。また、1972年の沖縄返還では、米国との交渉により平和裏に日本復帰を実現させたことが高く評価された。

都内の自宅で報道陣に応じた佐藤氏は、「この賞は日本国民全体の平和を願う心が世界に認められた証である」と語った。一方で、受賞には政界内外から賛否の声も上がっており、ベトナム戦争中の対米協調姿勢との整合性を疑問視する向きもある。

授賞式は12月10日、オスロで行われる予定であり、日本政府からの公式代表団派遣も検討されている。

— RekisyNews 国際面 【1974年】

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