皆川睦雄、執念のシーズン30勝 南海のエースが東映戦で快挙達成

【東京・1968年10月6日】

南海ホークスのエース、皆川睦雄投手(33)が6日、後楽園球場で行われた東映フライヤーズ戦に先発登板し、今季30勝目を挙げる快投を見せた。スコアは5対2。皆川はこの勝利で、1968年シーズンのパ・リーグ投手陣で唯一の30勝投手となり、球界の注目を一身に集めた。

試合は初回から緊迫した展開となったが、皆川は低めを丁寧につく持ち味を発揮し、7回を2失点で抑える粘りのピッチング。打線も序盤から小刻みに得点を重ね、エースの力投に応えた。

この日で皆川のシーズン成績は30勝12敗、防御率2.27(当日時点)。1960年代後半に入り登板間隔の長期化や分業制が進む中で、1シーズン30勝に到達するのは並外れたスタミナと精神力の賜物といえる。

試合後のヒーローインタビューで皆川は、「チームの勝利のために投げ抜いてきた。30という数字は光栄ですが、ペナントを獲るために明日も頑張ります」と語り、静かに喜びをかみしめた。

なお、昭和40年代以降、プロ野球における30勝投手は極めて稀であり、皆川の偉業は今後長く語り継がれることになりそうだ。

— RekisyNews スポーツ面 【1968年】

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