【東京 10月5日】
本日よりNHK総合テレビジョンにて、幼児向け教育番組『おかあさんといっしょ』の放送が開始された。午前8時からの放送第1回では、歌や体操、そして紙芝居を通じて、幼児たちの知育・徳育・体育をバランスよく育む構成が披露され、視聴者からは早くも好評の声が寄せられている。
番組には、歌のおねえさん・眞理ヨシコさんと、歌のおにいさん・竹前文夫さんが登場。視覚・聴覚の発達段階に合わせて、子どもたちが自然と歌い、体を動かしたくなるような演出が随所に盛り込まれていた。
本番組は、家庭におけるしつけや遊びの手助けとなることを目的とした新しい試みであり、子どもたちがテレビの前で参加できる双方向的な内容が特色だ。紙芝居・人形劇・童謡のほか、体操のコーナーなども用意されており、飽きずに集中して視聴できるよう工夫されている。
テレビの普及が進むなか、子ども向け番組の充実を求める声は高まっており、NHKも初の本格的な取り組みに意気込みを見せている。今後は、平日午前の放送として定着を目指し、内容の改善と拡充が予定されている。
「テレビはただ見るだけでなく、育てる道具であるべき」——NHK関係者のそんな言葉が、番組の姿勢を物語っている。
— RekisyNews 文化面 【1959年】