【パリ 10月5日】
昨日、国民公会はカトリック教会を国教とする制度を正式に撤廃し、キリスト教の国家宗教としての地位が失われた。
この決定により、フランス国内の政教分離が本格的に動き出し、革命政府による脱キリスト教化(ディクリスチャナイズ)政策が一層加速する見通しである。
議会内部では、「理性の崇拝」や「革命の価値観こそが新たな信仰である」との声が高まりつつあり、従来の教会儀式や聖職制度を不要とする空気が広がっている。
また、教会財産の没収、聖職者への誓約義務、そして新たな共和暦の導入など、宗教の影響力を排除する動きが段階的に実行されてきたが、ついにその頂点とも言える国教廃止が決定された。
これにより、フランス国家は特定の宗教に与していない立場を公式に採ることとなり、聖職者の多くは信徒を失い、社会的影響力を喪失する可能性が高い。
パリ市内では、教会の鐘の音が止み、十字架や聖像の撤去が進むなど、信仰の風景が一変しつつある。
一方、地方では動揺も広がっており、信仰に生きる民衆や保守派からは反発の声も上がっている。
今後、宗教と革命理念との摩擦が新たな火種となるか注視が必要だ。
— RekisyNews 欧州面 【1793年】