【ロンドン 8月5日】ウェストミンスター寺院で本日、ヘンリー王子(31)が戴冠しイングランド王ヘンリー1世として即位した。兄王の急逝からわずか三日で王座を継承した新王は「法と秩序を取り戻し、国民の自由を守る」と誓い、改革路線を鮮明にした。
戴冠式は大司教アンセルムが司式し、貴族・聖職者・市民が列席した。ヘンリー新王は即位憲章(後に「自由の特許状」と呼ばれる)を公布し、教会の権利尊重、重税の緩和、不当な没収の禁止を約束。大司教は「王権と神の秩序が調和する」と歓迎し、反発していた貴族の一部も軟化の構えを見せた。
背景には、今月2日にニュー・フォレストで起きた狩猟事故で兄ウィリアム2世が急死し、王位継承が流動化した事情がある。長兄ロベール公が聖地帰還途上にある中、ヘンリー王子はロンドンを掌握し支持を固めた。
ロンドン市民からは「重税時代が終わる」との期待が広がり、市場は活況を呈した。一方、ノルマンディーとの二重統治問題は依然残っており、専門家は「今後一年が王権安定の試金石」と指摘する。
— RekisyNews ロンドン支局