【ニューヨーク 10月1日】
ロジャー・マリス外野手(ニューヨーク・ヤンキース所属)が、本日行われたレギュラーシーズン最終戦でシーズン61本目の本塁打を放ち、ベーブ・ルース氏の持つMLB最多本塁打記録(60本・1927年)をついに超えた。 野球界において「不滅」とも称された記録の更新に、ヤンキー・スタジアムは歓喜と興奮に包まれた。
試合はボストン・レッドソックス戦。マリスは1回裏、先発トレイシー投手の内角高めの直球を完璧に捉え、右中間スタンドへと運んだ。 スタンドの観客は総立ちとなり、拍手と歓声が場内を揺らす。打球の行方を追ったマリスは、静かにベースを一周し、ホームに戻るとチームメイトに迎えられ、力強い握手を交わした。
今季のマリスは、長打力に加え、四球の多さからくるプレッシャーとも戦い続けてきた。同僚のミッキー・マントルとの「ホームラン競争」も注目されたが、マントルは怪我で離脱。 結果としてマリスがシーズンを通じて記録への挑戦を果たすこととなった。
だが、マリスの記録に対しては、試合数がルースの時代よりも8試合多い162試合に増えていることから、一部ではその価値に疑問を呈する声も上がっている。MLBコミッショナーのフォード・フリック氏は以前、「ルースの記録と区別する必要がある」との考えを示しており、記録の公式扱いについては今後議論を呼ぶ可能性がある。
それでも、34年ぶりに歴史の扉が開かれたことは紛れもない事実。記録を破ったマリスは、試合後の記者会見で「とにかく長いシーズンだった。チームメイト、そして応援してくれた家族とファンに感謝したい」と語った。
— RekisyNews スポーツ面 【1961年】