【大阪 9月30日】
本日、パシフィック・リーグの全日程が終了し、阪急ブレーブスの助っ人打者、ブーマー・ウェルズ内野手(29)が、打率・本塁打・打点の三部門すべてでリーグトップを記録。外国人選手として日本プロ野球史上初の「三冠王」という快挙を成し遂げた。
今季のブーマーは打率.355、37本塁打、130打点という圧巻の成績を残し、他球団の強打者を大きく引き離しての堂々たる達成。特に本塁打と打点では、2位にそれぞれ10本、20打点以上の差をつけており、まさに“圧勝”の三冠だった。
米国出身のブーマーは1983年に来日。来日2年目にして日本球界に完全に適応し、その豪快な打撃と勝負強さでファンの心を掴んだ。阪急の上田利治監督も「彼がいたからこそ、チームはここまで戦えた。まさに主砲というべき存在」と賛辞を惜しまなかった。
本拠地・西宮球場では、シーズン最終戦の後に球団が特別セレモニーを開催。詰めかけたファンはブーマーの偉業を祝福し、スタンドからは「ブーマー!三冠王!」の大合唱が沸き起こった。記者会見でブーマーは「信じられない気持ち。チームメイト、ファン、そして日本の野球に感謝している」と笑顔で語った。
これまで王貞治、落合博満ら限られた日本人打者しか達成してこなかった三冠王。そこに初めて外国人選手の名が刻まれたことは、日本球界にとっても大きな転機となるに違いない。
— RekisyNews スポーツ面 【1984年】