【東京 9月29日】
本日、立憲政友会の原敬総裁が正式に第十九代内閣総理大臣に任命され、原内閣が発足した。これは、藩閥に属さず、政党出身者によって組織された日本初の本格的な政党内閣として、政界に一石を投じる歴史的な出来事である。
原氏は盛岡出身の平民ながら、外務省・逓信省での要職を経て、政友会の実力者として長年にわたり政界に影響力を持ち続けてきた。今回の大命降下により、爵位を持たぬ「平民宰相」の誕生は、これまでの元勲・藩閥による内閣人事の慣例を大きく覆すものである。
原内閣の顔ぶれは、政友会を中心とした布陣となっており、民意を背景にした議会運営が本格化する見通しだ。国政においては、第一次大戦後の国際情勢を見据えた外交政策の舵取りと、国内の物価高騰・社会不安への対応が急務とされている。
特に、シベリア出兵や米騒動の混乱を収束させ、国民生活の安定を図るとともに、議会政治の信頼を築けるかどうかが、今後の政権運営の試金石となろう。
政党政治が本格的に始動する中、原新政権がいかに国民の期待に応えるかが注目される。今後の内政外交両面における手腕が問われることになる。
— RekisyNews 政治面 【1918年】