【ローマ 9月29日】
本日、教皇グレゴリウス九世は、神聖ローマ皇帝フリードリヒ二世に対し、教会法上の破門を宣言した。理由は、皇帝が聖地奪還を目的とした第六回十字軍への参加を度重なる誓約にもかかわらず実行に移さなかったことにある。
皇帝フリードリヒは、すでに教皇ホノリウス三世との間で十字軍遠征を約束していたが、幾度も延期を繰り返していた。昨年には遠征を敢行すると宣言し、出発したものの、航海中に発熱を理由に引き返し、遠征は事実上中止された。この対応に対し、教皇側は「神の御業に背く行為」として強い非難を表明していた。
グレゴリウス九世は、「聖地回復の誓いを反故にする者は、神の国の導き手たるに値せず」との声明を発し、聖ペトロの座からの断固たる姿勢を明示した。同時に、破門に伴い、皇帝はもはや聖職者からの助祭も受けられず、キリスト教世界における正統な統治者としての正当性にも疑義が生じることとなる。
一方で、皇帝フリードリヒ側は教皇の行動を「過激かつ時期尚早」と非難し、政教の独立性を主張。周辺諸侯や諸国の反応は分かれており、神聖ローマ帝国とローマ教皇庁との対立が、今後の欧州の政治秩序に重大な影響を及ぼす可能性がある。
なお、皇帝は引き続き十字軍遠征を計画していると伝えられており、破門がその行動にどう影響するかは、今後の動向を注視する必要がある。
— RekisyNews 宗教面 【1227年】